2007年10月29日月曜日

シニアネット 『おいおい』 第623号

━━ senior citizen net ━━━━━━━━━━ 2007/10/01━

     シニアネット 『おいおい』         第623号
 
━━━━━━━━ 行動するシニアのための情報紙  ━━

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   秋晴の空気を写生せよといふ    沢木 欣一

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 棟方志功は作者に、「空気を写生出来なければ駄目だ。」と言いました。絵の話でしょうが、俳句にも通ずる言葉であると思われます。目の前にあるものを表面だけで写生しても感動は伝わりません。「秋晴の空気を写生せよ」という言葉を噛みしめたい。
細見綾子は夫人。1960年以降、戦闘的社会性から後退して、「新しく事物を見ようと努めそれを表現しようとした。『即物具象』をスローガンに掲げ正岡子規の写生説を見直しながら、欣一自身は表現技巧を職人的まで高めた。」(『現代俳句大事典』より)。富山市生まれ。(1919-2001)。

┏━━ 日本郵政スタート ━━━━━━━
       ◎日本郵政民営化第1日◎ 
本日より、日本郵政がスタート。地元の郵便局へ行き、記念切手と葉書を買いました。はがきは新しいスタイルです。窓口は、派手な色で描かれた文字がにぎにぎしい。

1日;朝日記事:日本郵政、民営としてスタート 小泉元首相が発足式に
  http://www.asahi.com/business/update/1001/TKY200710010101.html
『東京・霞が関の本社ビルで1日朝行われた発足式で、来賓の小泉元首相は「私が民営化を提案した時、すべての政党が『反対』『必要ない』と言った。実現は国民の支持があったから。国民から信頼される立派な会社になってほしい」と述べた

1日;読売記事:日本郵政グループ発足式、「国民支持で実現」と小泉元首相
http://www.yomiuri.co.jp/atmoney/news/20071001i103.htm
『日本郵政の西川善文社長は「民間企業としての効率性、収益性と、公共性の両立を目指す」とあいさつした。小泉元首相があいさつし、「首相就任前、すべての政党が郵政民営化に反対か必要がないと言っていた。実現したのは国民の支持があったからこそだ」と振り返った。

1日;日経記事;民営郵政スタート、JPグループが発足式
 http://www.nikkei.co.jp/news/main/20071001AT3S0100301102007.html
『来賓として出席した福田康夫首相は「(郵政民営化は)政治ドラマがあった。これからは経営の創造性、効率性を発揮し、国民にとって安心の拠点となるよう期待する」とあいさつした。

1日;毎日記事:郵政民営化:記念切手に徹夜組 都市部と明暗、地方は不安抱え
 http://mainichi.jp/select/wadai/news/20071001dde041040065000c.html
『日本郵政グループが誕生した1日、大規模郵便局を中心に、記念切手の販売に愛好家が並ぶなど、華やかな雰囲気で民営化がスタートした。だが、人口が減り続ける地方は、郵便局の統廃合など「経営の論理」におびえている。東京中央郵便局には、午前8時に発売する記念切手を求め、徹夜組も含めて切手収集家ら350人が行列を作った。

1日;産経記事:JP(日本郵政)グループが発足
http://sankei.jp.msn.com/economy/business/071001/biz0710010914000-n1.htm
『福田首相は「経営の効率性を高め、国民の貴重な財産である郵便ネットワークを有効活用するよう期待する」と祝辞を述べた。始業に当たって不安視されたシステム上のトラブルは報告されておらず、大きな混乱は起きていないという。民営郵政は市場経済への統合を目指すが、地方の郵便局網維持など多くの課題に直面する。

┏━ 新聞とネット統合 ━━━━━━━━━━
    ◎朝日、読売、日経が共同サイト運営◎
  本日より、産経新聞と毎日新聞が、ネット統合を発表した。朝日新聞と読売新聞と日本経済新聞が、共同サイトの運営を発表した。メディアは大きく変化するだろう。

1日;朝日記事;朝日、読売、日経3社がネット・販売分野などで協同
 http://www.asahi.com/business/update/1001/TKY200710010178.html
『インターネット分野での共同事業や、配達の共同化といった販売事業の業務提携を行うことで合意した、と発表した。また、災害時の新聞発行について相互に援助する覚書を交わした。

1日;読売記事;日経・朝日・読売が提携…新聞配達、共同サイト運営で
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20071001it11.htm?from=top
『インターネット上での共同ニュースサイトの運営や、新聞販売事業における業務提携、災害時の新聞制作の相互援助などを進めていくことで合意した。

1日;日経記事;日経、朝日、読売が業務提携・ネット事業などで協力
http://www.nikkei.co.jp/news/main/20071001AT1D0101A01102007.html
『インターネット上の共同事業を核とする業務提携を進めていくことで合意したと発表した。記事の読み比べなど単独ではできないサービスを来年年初に始め、各新聞社の情報発信力強化を狙う。新聞配達網の維持・強化でも提携。災害時の相互援助協定も来年3月末までに結ぶ。

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シニアネット 『おいおい』 第622号

━━ senior citizen net ━━━━━━ 2007/09/30━━

     シニアネット 『おいおい』         第622号

━━━━━━━━━━ 行動するシニアのための情報紙━

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 霧の村石を投らば父母散らん         金子 兜太  

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 霧深い故郷の村。その村を出ることなく一生を終った「父母」と出ていった作者と。限りない深い愛情が詠われた。「石を投らば」は放るか抛るであろうが、「投げる」にした方のは、石が当りそうに見える。
 父元春は医師で俳人。秩父音頭を創作した人としても知られている。父は伝統的な故郷の風土を愛しつつも進出的でもあった。少年兜太に大きな影響を与えたであろう。埼玉県小川町生まれ。(1919- )。

┏━━ 九月尽 ━━━━━━━━━━━━━━━
  陰暦の9月末日(今年は11月9日)。秋が終わり冬が始まり、秋を惜しむ気持ちがあった。九月尽には、いく秋を惜しむ気持ちが込められていた。最近は、陽暦の9月末日を詠むものも多い。企業では、半年決算では9月末日が決算日だったことがある。年1回の決算の中間決算。3月尽の本決算と並ぶ。
明日から10月である。大きな変化は産経新聞社と毎日新聞社のネットのTOP画面が大きく変わる。ますます、ネットが楽しくなる。

┏━━ 新聞が変わる ━━━━━━━━━━━━
◎新聞とネットの融合 産経(MSN)と毎日(Yahoo)◎
ネットの急速な普及が既存メディア、とりわけ新聞とネットが融合する。米国では、新聞の販売・広告収入いずれも減少し、経営不振に陥り、身売り・買収も相次いでいる。国内新聞社のネット対応は必ずしも迅速ではなかった。ここにきて、5紙がそれぞれに、ネットとの融合を開始した。宅配システムの維持が本命の日本の新聞業界に、小さな波だが起こり、潮目の変化が見え始めた。

30日;産経社説(1)新聞・ネット融合 発想豊かに使いこなそう
http://www.sankei.co.jp/ronsetsu/shucho/070930/shc070930001.htm
『新聞とインターネットの融合の動きがいよいよ本格化してきた。10月1日から産経新聞グループとマイクロソフト(MS)は新ニュースサイト「MSN産経ニュース」を、毎日新聞がヤフーなどと連携を強化した新サイト「毎日jp」をそれぞれスタートさせる。
  その意味で、産経新聞が紙媒体の締め切りに沿って配信していたスクープも、直ちにサイトに掲載する方針を明確にしたのは、記者はじめ新聞の作り手に意識改革を迫ることになる。紙媒体では物理的な制約から難しい裁判の冒頭陳述や判決などの全文掲載も、ネットでならば可能となる。用語解説、過去の関連記事も容易に検索できる。既存の新聞作りにとらわれず、「ネットならこんなことも」という着想から、思いもかけぬ情報提供サービスが生まれてくることもあろう。
 読者の側も同様だ。ただ記事を読むだけではなく、さらに詳しく調べる、その記事へのコメントを書き込むなど重層的な展開が可能になる。自由な発想で縦横に活用すれば、知的好奇心を十分に満足させるツールになる。むろん、新聞社である以上、紙媒体をおろそかにすることは許されない。ネットと紙という異なる媒体の特性を意識して使いこなし、記者自身がレベルアップしなければならない。
 ネット時代の新聞事業のあり方については、日本はもちろん、先端を行く米国でさえ手探り状態だ。収益モデルが確立されているわけではなく、さまざまな修正も必要だろう。それでも、ここへ来て活発化してきた国内新聞社の競争がネット社会全体を新たなステップに導くことを期待したい。
関連記事と新しいTOP画面
http://www.sankei.co.jp/keizai/it/070930/itt070930000.htm
http://www.mainichi-msn.co.jp/today/news/20070930k0000e040046000c.html
http://mainichi.jp/

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シニアネット 『おいおい』 第621号

━━ senior citizen net ━━━━━ 2007/09/29━

     シニアネット 『おいおい』     第621号
 
━━━━━━ 行動するシニアのための情報紙━━

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  酒もすこしは飲む父なるぞ秋の夜は   大串 章

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 前書きは、「故郷より吾子誕生の報至る。即ち一と言」。作者はふるさとから遠く離れたところで吾子の誕生を知った。自分の近況を吾子に知らせた。吾子への贈答である。「父なるぞ」が句を引き締めている。「秋の夜は」で夜の深みが深まり、広がりが出てきた。静かな秋の夜長は、「酒もすこし飲む父」で良いのだろう。
「秋の夜」は、「月が冴え、虫の音も聞こえもするが、静寂な雰囲気が漂っている。静寂は心の余裕を生み、秋の夜長の情趣を様々に味わうことができる。秋の夜長は知的な精神性をまとっている。」(『角川 俳句大歳時記』より)。佐賀県生まれ。(1937-)。

┏━━NEWS検定━━━━━━━━━━━
       ◎2級と3級の合格通知が到着◎  
 嬉しい郵便物が届いた。日本ニュース時事能力検定協会からの第1回(9月1日)試験の合格通知である。制限時間(50分)一杯でやっと解答できた2級がぎりぎり合格。時間の余裕のあった3級は、ゆうゆう合格でした。これで、12月2日(日)の1級受験資格が得られました。マークセンスの見直しができなかった2級は、マークが悪くてコンピュータが認識して呉れなかった解答が4問(60問中)もありました。マークセンスの見直しがなければ不合格。1級は、正解率80%以上が合格の上に、筆記もある。難関である。
 次回は、初めての第1級に挑戦だけして見たい。1問題50秒の回答能力をつけなければ。社説をおちょくっている老々子には懲戒になるだろう。
   http://www.newskentei.jp

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シニアネット 『おいおい』 第620号

━━ senior citizen net ━━━━━ 2007/09/28━━

     シニアネット 『おいおい       第620号
 
━━━━━━━ 行動するシニアのための情報紙━━

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 三田二丁目の秋ゆうぐれの赤電話     楠本 憲吉

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 東京都港区三田二丁目は、慶応義塾大学の三田キャンパス。大学の街の一角の秋の夕暮れに、鮮やかな「赤電話」がある。まるで、秋の夕陽を反射しているように。作者は、慶応大学卒業の慶応ボーイ。都会的で洒落た感覚の句が多い。家業は「なだ万」。大阪市生まれ。(1922-1988)。

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シニアネット 『おいおい』  第619号

━━ senior citizen net ━━━━ 2007/09/27━━

     シニアネット 『おいおい』         第619号
 
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 十六夜も居待も淡くすぎにけり      山本 洋子 

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 旧暦8月15日の月を名月。16日を「十六夜」、17日を立待月、18日を居待月、19日を寝待月、20日を更待月という。本日27日は立待月、明日28日は「居待月」、明後29日が寝待月。30日が更待月である。
 この句は、名月があまりにも明るく美しかったので、それ以後の月は見過ごしてしまった。すこし、心残りであると。東京都出身。(1934-)。

┏━━ 福田内閣  ━━━━━━━━━━━━━
         ◎表紙「背水の陣内閣」 閣僚「安倍内閣」◎
表紙を福田背水の陣内閣、内容は安倍内閣の出直し内閣だ。首相が変わったほかは、大きな変化はない。「背水の陣内閣」と福田首相は言う。無理もない状況である。しかし。「政治とカネ」の疑惑度の高い閣僚が含まれている。調査する時間が無かったようだ。
朝日・毎日・日経の衆議院解散の主張は、民主党が衆議院議員に勝てる前提だ。どうだろうか、選挙のシステムが違うし、与党として民主党が国民の支持が得られるだろうか。衆議院には任期4年間の政権を付託したのである。任期一杯働くのが当たり前。政治課題が山積する中をどう考えるか。3紙の社説の論調には警戒を要する。

シニアネット 『おいおい』  第618号

━━ senior citizen net ━━━━━━ 2007/09/24━

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 生まれたる日本橋の雨月かな      長谷川 かな女

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 25日は中秋の名月。陰暦の8月15日の夜を良夜。その夜の月を名月。雲に覆われれば無月。雨なら「雨月」。見えても見なくても、月に寄せる思いは変わらない。雨で見えない名月をしみじみと眺めている。
かな女は、明治20年(1887)に東京府日本橋区本石町(東京都中央区)に生まれた。「生まれたる日本橋」である。生まれ育った日本橋の情景を句にした。『初期には、「かな」「けり」止めの渋滞のない安定した詠法が多くみられるが、戦後は表現に柔軟さを増し、円熟の度を深めた.』(『現代俳句大事典』より)。(1887-1969)。

┏━━ 自民党4役 ━━━━━━━━━━━━
 ◎派閥の袖領がずらり、「飛車・角行」揃え◎
幹事長が伊吹氏、総務会長が二階氏、政調会長が谷垣氏、選挙対策委員長が古賀氏が決まった。派閥のドンがズラリと並んだ。復古調の感じ。多くを期待すのが無理かもしれない。時計が逆回り始めた。新しい自民党はどこへ行ったのだろうか。

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シニアネット 『おいおい』  第617号

━━ senior citizen net ━━━━━━ 2007/09/22

     シニアネット 『おいおい』         第617号
 
━━━━━ 行動するシニアのための情報紙━━

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 つきぬけて天上の紺曼珠沙華       山口 誓子

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 昭和16年(1941)作。療養のために四日市富田へ移ってからの作品。「曼珠沙華のすっくりと立ったさまを、紺碧の空を突き抜けていると誇張的に言ったのである。紺と赤との色彩の対象が目に鮮やかである。曼珠沙華そのものを描いた点で、後の一元的俳句傾向に通じている。」(山本健吉『定本現代俳句』より) 
別称、彼岸花。秋の彼岸頃に開花する。人家に近い田畑の縁、堤防、墓地などに群生する。薬用や塗料とされる。「曼珠沙華」は梵語では天上に咲くという花の名。京都市生まれ。(1901-1994)享年94歳。

┏━━ 自民党総裁選挙━━━━━━━━━━━
  いよいよ23日が投票。大阪府の3票は、麻生太郎2票、福田康夫1票だ。議員票もこの比率で投票してほしい。他の府県もドント方式のところが少数派だが、関東地区の様に1位が3票取るところもある。支部長選挙のところもある。党員・党友の票が反映されないのだから、せめて小さな意思を反映できる方式を取ってもらいたい。党費を納めているのは、総裁選挙のためである。時間がないとは理由にならない。47都道府県の141票に注目したい。麻生太郎がどこまで食い込めるかが今後の政治の指針になることだろう。
http://www.yomiuri.co.jp/feature/fe5600/news/20070922ia03.htm

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シニアネット 『おいおい』 第616号

━━ senior citizen net ━━━━━ 2007/09/19━

     シニアネット 『おいおい』         第616号
 
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 月を思ひ人を思ひて須磨にあり     高浜 虚子

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 昭和26年(1951)9月、虚子76歳の作。子規没後50年。詞書に「9月14日須磨、保養院の跡を訪ひ、須磨寺小集」とある。子規は、明治23年に日清戦争の従軍記者として中国に行った帰りの軍艦で大喀血した。須磨保養院で虚子は子規につききりで看病した。
 没後50年、「人を思ひて」の人の子規を偲んでいる。「月を思ひ」は臨終の夜、旧暦17日の月が出ていた。虚子は子規の霊が今空中に騰りつつあるのでは無いかと「子規逝くや17日の月明に」と詠んだ。
王朝時代の月の名所の須磨で、子規を思う深い心情が詠われた。翌15日、虚子は「子規忌へと無月の海をわたりけり」の句を残して、こがね丸で松山へ渡った。松山市の子規祭りに参加するために。松山市生まれ。(1874-1959)。

┏━━ 子規忌 ━━━━━━━━━━━━━
  9月19日は正岡子規の忌日。明治35年(1902)にわずか36歳。東京根岸で短い生涯を終えた。死の2日前まで、『病床六尺』を書き、死の前日3句を絶筆として残した。戒名は 子規居士である。糸瓜忌,獺祭忌ともいう。

┏━━総裁選挙の争点━━━━━━━━━━
          ◎政策論争に踏み込め◎
 3紙が、総裁選挙の政策論争の物足りなさを指摘した。読売は政策論争の必要性を。
毎日は構造改革の方向性を。産経は政策論議の必要性を。論じた。

19日;読売社説(1)自民党総裁選 政策論争が今一つ物足りない
http://www.yomiuri.co.jp/editorial/news/20070918ig90.htm
『イメージ先行の争いだが、首相の「資質」が争点の一つだけに、一概に悪いとも言えまい。残念なのは、肝心の政策論争が具体性を欠いており、今一つ物足りないことだ。突然の選挙による準備不足も一因だろう。福田氏と麻生氏が発表した政権構想は、A4判の紙1、2枚にすぎない。主要テーマは網羅しているが、大半は政府の既存の施策と大きな違いはない。
 福田氏は、「格差を埋める努力」が必要としながらも、「改革の方向性は変えられないし、後戻りもできない」と強調する。政権構想でも、「『改革と成長』路線を継続」「頑張る地方が自立できる税制・交付税を検討」などと、現政権の政策を継承する政策を並べた。麻生氏の方が、むしろ構造改革路線の修正に積極的な姿勢を見せている。政権構想でも、「構造改革によって生じた暮らしの不安と格差の解消」「弱者にも配慮した『思いやりの政治』」などを盛り込んだ.
 対北朝鮮外交で、福田氏は、「対話と圧力」のうち「対話」に軸足を移す姿勢をにじませつつ、拉致問題を「私の手で解決したい」との決意を表明した。一貫して「圧力」を重視してきた安倍政権に対し、福田氏は批判的だった。一方、麻生氏は、「圧力なくして対話が成り立ったことはない」と主張し、重点の置き方が異なっている。
 来週には首相指名選挙や所信表明演説が行われる方向だ。自らが首相になった際、どんな政策を優先するのか。福田、麻生両氏には、もう一歩踏み込み、総裁選を盛り上げてほしい。

19日;毎日社説(1)自民総裁選縦 改革の新しい姿明確に示せ
  http://www.mainichi-msn.co.jp/eye/shasetsu/
『福田康夫元官房長官、麻生太郎幹事長は経済構造をどのようにしようとしているのか。日本経済の活性化、財政再建の実現は誰が首相でも取り組まなければならない課題である。そのためには、福田、麻生両氏が小泉構造改革をどう総括し、自分自身はどのような改革に取り組むのか明確にしなければならない。
 まず、焦点となるのが財政再建や公的年金の国庫負担引き上げに関連した消費税の扱いだ。究極の歳入増対策といわれている消費税率引き上げを巡っては、安倍内閣も口をつぐんできた。これに対して、福田、麻生両氏とも引き上げ検討の立場を明らかにした。これで自民党の消費税に対する姿勢は明確になったとみていい。
 国民負担の引き上げは、単に、財政再建のためだけではない。国民に社会サービスが滞りなく行き渡る仕組みを築き、維持するためだ。ただ2人の主張から社会保障全体をどう再構築していくのかはみえてこない。小泉改革は一貫して小さな政府を目指し、社会保障や医療でも民間の役割に期待した。福田、麻生両氏とも改革の影の部分や諸問題には対処していくという。それは当然だが、全体像がなくては国民は安心できない。
  公共事業にしろ、減税にしろばらまきに終わってしまいかねない。今回の総裁選は次の総選挙にらみという色彩が強いだけに、ともすれば、ポピュリズムに流れかねない。
 経済構造の作り替えは全体構想があって初めて説得力も出てくる。小泉改革を評価するにせよ、反面教師にするにせよ、両氏は政権を目指す以上、改革の全体像を明確に提示しなければならない。

18日;産経社説(1)自民党総裁選 より踏み込んだ政策論を
http://www.sankei.co.jp/ronsetsu/shucho/070918/shc070918001.htm
『 福田康夫元官房長官が「希望と安心」を呼びかけ、麻生太郎幹事長は「日本の底力」と訴える。両氏の政権構想の全体像は見え始めたが、党や政権の立て直しに向かう説得力は感じられない。これでは平時の総裁選と比べ代わり映えがしない。欠けた総裁の単なる補充選挙に終わらせてはなるまい。政権投げ出しに至った政治状況を厳しく分析し、当面する諸課題への対処方針を明確に示す作業が欠かせない。
 改革路線を継承しつつ、必要な修正は加える。日米同盟を基軸にアジア外交を重視する。具体的に何を重視し、どう修正するかについて、両氏はさらに踏み込むべきである。
 焦点となるインド洋での海上自衛隊の給油活動問題は、国民の理解も深まりつつある。 その他の法案処理があることも考えて、参院第一党となった民主党との話し合い路線を打ち出すことはわかる。しかし、日本自身の利害や国際社会の一員としての責務ととらえ、まず政府・与党がこの問題を最優先課題とするのかどうか、明確にすべきである。
 麻生氏は政策面で鋭く福田氏に挑んでほしい。北朝鮮に対し「圧力がなければ対話できない」と麻生氏は主張した。これを意識したように、拉致問題の解決に必ずしも積極的ではないとみられていた福田氏が「私の手で解決したい」と言い始めた。論争の意義はこういう点にもある。
 立会演説を聞く党所属議員らの表情には、安倍晋三首相より安定感があり、物わかりも良さそうな両氏の語り口に安堵感も漂っていた。やっと一息つけそうだ、と緊張の糸が切れたことの表れだとすれば、あまりにも内向きではないか。

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シニアネット 『おいおい』 第615号  巻頭紹介

━━ senior citizen net ━━━━━━ 2007/09/17━

     シニアネット 『おいおい』      第615号
 
━━━━━━━ 行動するシニアのための情報紙━━

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 敬老の日とは煮小豆をことことと    及川 貞

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 今日は敬老の日。ハッピー・マンデイ。3連休の付録のような祭日。特別な行事が有る訳でもない。作者は、時間をかけて、「ことことと」ていねいに小豆を煮る。静かな昼下がりである。小豆の煮えるに従い、部屋いっぱいに匂いが漂う。
 「慎ましい主婦の目を通して、日常身辺の些事を巧まず、素直に綴った。成人した3人の子をことごとく失うという苦難と悲しみに耐え抜きながら、晩年は夫と2人となった時を、さらに独り残された日々を淡々と深く最期まで詠み続けた。」(『現代俳句大事典』より)。東京都生まれ。(1899-1993)。享年94歳。

┏━━ 敬老の日 ━━━━━━━━━━━━━━
         ◎(社説)長寿だけでは安心できない◎
9月17日は、敬老の日2紙が取り上げた。両紙とも長寿だけでは喜べない社会だ。独居男性の問題(朝日)と社会保障の重要性(読売)を論じた。妥当な論調である。

17日;朝日社説(2)敬老の日―独居の男性が心配だ
  http://www.asahi.com/paper/editorial.html
『ひとりで暮らす65歳以上のお年寄りがどんどん増えていることだ。その数は約400万人にもなる。本当は人とかかわりたいのに、近所づきあいがなく、友人もいない。そんなひとり暮らしのお年寄りが少なくない。
 高齢者を対象にした内閣府の調査が、その実態を浮き彫りにしている。65歳以上のひとり暮らしのうち、6割を超える人が日常生活の中で心配ごとを抱えていた。一番の不安は「病気、介護」だが、次に多いのは「頼れる人がなく一人きり」という悩みだった。ひとり暮らしの男性の高齢者で、近所づきあいが「ない」という人が4人に1人に達し、「親しい友人がいない」との答えは4割を超えた。心配ごとや悩みがあっても相談する相手がいない人は2割近い。
  お年寄りが孤立すると、心配なことが増える。悪質商法などの被害にあう。 まず住民一人ひとりが自分のまわりを見回し、声をかけ合うことが大切だ。少し心を配るだけで、年配の人たちはずっと生きやすくなる。 お年寄りの側も、周囲とのつき合いを求めるのなら、きっかけを待つだけではいけない。公民館へ出かけてみる。趣味の活動に参加する。安心して暮らせる町づくりにつながるし、みんなが気持ちよく生活する第一歩にもなる。そうしたことを、敬老の日に改めて考えたい。

17日;読売社説(2)敬老の日 社会保障の安定が老後の安心に
http://www.yomiuri.co.jp/editorial/news/20070916ig90.htm
『問題は、長い老後を幸福に、安心して暮らせるかどうかであろう。内閣府が毎年行っている「国民生活に関する世論調査」で、生活の中で悩みや不安を感じている人が、今年は過去最高の69・5%に上った。内容は「老後の生活設計」(53・7%)が最も多い。年金、医療、介護という、高齢期に支えとなるべき社会保障制度が、揺らいでいると感じるからだろう。
 だが、政治は国民の思いに応えているだろうか。年金制度は、給付を安定させるため、基礎年金の国庫負担割合を2009年度までに、3分の1から2分の1へ引き上げることが決まっている。ところが肝心の財源はいまだに見通しがつかない。国民医療費は33兆円を突破した。費用の伸びを抑えるため、高齢者の窓口負担を引き上げたり、医療機関の診療報酬を削減したりしている。こうした医療費抑制策はおのずから限界がある。超高齢社会に必要な医療の財源は、きちんと確保しなければならない。介護保険制度も、コムスンの不祥事を機に、介護現場の低賃金と、それに伴う人材不足という問題が浮かび上がった。
 各制度の現状を打開し、財政基盤を強化するには新たな財源が要る。それは広く薄く負担し合うしかない。ところが政治の場での議論は、一向に進まない。不安の多い老後では、寿命が延びても喜べない。長寿は幸福、と言い切るには揺るぎない社会保障制度が必要だ。

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シニアネット『おいおい』 第614号 巻頭紹介

━ senior citizen net ━━━━━ 2007/09/14━━

     シニアネット 『おいおい』     第614号
 
━━━━━━ 行動するシニアのための情報紙━━

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 秋風をしきりにおくる一角獣        川崎 展宏

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 前書に「詩人を悼む 生前詩集『一角獣』」とある。詩人とは西崎脩である。「一角獣」は、イルカに似て体長は5mにも及ぶ。雄の上顎の門歯の1本が長く伸び長さ2mにもなる。グロテスクでいかにも悲しい姿である。
 酷暑も終わり秋風が吹き始める。静寂感漂う秋風。人生の転変を感じさせる秋風。「秋風をしきりにおくる」のは「一角獣」である。広島県生まれ。(1927- )。

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2007年10月17日水曜日

シニアネット 『おいおい』 第612号 巻頭紹介

━━ senior citizen net ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 2007/09/09━━

     シニアネット 『おいおい』         第612号
 
━━━━━━━━━━ 行動するシニアのための情報紙━━

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 鰯雲出ていたる日の東京市       池内 たけし

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 東京市は1889年から1943年まで。「東京市」のときの句。この「東京市」がすばらしい。「鰯雲」は巻積雲で,鱗雲とも、鯖雲とも呼ばれる。秋空の高い所に鰯の群れのように見える。この雲が出ると鰯が大漁だと言われた。「東京市」のドン真ん中で、広い秋の空を讃美している。「東京都」とは違う「東京市」の広い空。「鰯雲出ていたる日」は、東京湾や太平洋につながる広さがある。
高浜虚子の甥。虚子は句風を「平淡にして滋味である」と評した。松山市生まれ。(1889-1974)

┏━━ VISTA ━━━━━━━━━━━━━━━
 私のXPパソコンが病院から戻ってきた。半月ぶりの帰宅である。この期間、Vistaを使用していた。すると少しずつ,Vistaに慣れてきている。Vistaを強制的に使かっていたから。XPに戻れないのだ。XPはオフラインで使うことにした。
 リハビリと同じではないかと感じた。リハビリは機能復帰のために、強制的に訓練をする。パソコンもリハビリと思って訓練すれば、新しい機能に慣れてくるのではないかと。古い機能が喪失したとしたときは、新機能をリハビリで獲得する。老いとは、喪失した機能をリハビリで戻すことではなかろうか。そのリハビリを訓練により行う。老への挑戦だ。パソコンと同じ範疇で考えるのは無理があるが。
 積極的な見方をすれば、Vistaへの挑戦は脳の活性化になる。挑戦こそ脳の活性化だ。新しい機能への挑戦である。Vistaに挑戦して効用があるようだ。

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シニアネット 『おいおい』 第613号 巻頭紹介

━━ senior citizen net ━━━━━ 2007/09/13━

 シニアネット 『おいおい』         第613号
 
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 東京駅大時計に似た月が出た     池内 友次郎

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 日本人として初めてパリ音楽院に入学した音楽家。自由な発想で新鮮な句を残した。作曲界の第1人者として活躍した。父虚子から音楽を専門とするなら俳句を作ったらとすすめられた。パリでも句作した。帰国後、多くの俳人と交友した。 
 ビルの林立してない時代の東京駅の風景である。「大時計に似た」満月が昇った。東京都生まれ。高浜虚子の次男。父の生家の池内姓を継ぐ。(1906-1991)

┏━━ 首相退陣  ━━━━━━━━━━━━━
あまりにも突然である。過去の事例をみると小渕恵三元総理のケースに似ている。沖縄サミットを決めながら、自らの出席はかなわなかった。安倍総理も北海道のサミットを決めた。自ら座長をつとめることはない。心身の疲労が重なったようだ。急な辞任にはいろいろな憶測がある。最後の最後までやり遂げようとしたが、健康が付いてこなかったという訳だろう。入院は3-4日ということだが、病状ははっきりされない。
 13日の朝刊のトップ記事の見出しを拾ってみた。
朝日記事;「後継・麻生」軸に攻防 総裁選19日か25日 批判勢力も擁護模索。
読売記事;総裁選挙 麻生氏軸に あすにも告示 額賀氏も意欲
毎日記事;麻生氏きょう出馬表明 小泉氏推す動きも 19日か25日選出で調整
産経記事;安倍首相2日前に辞任決めた 最後の望み党首会談「ノー」
日経記事;「国民の信頼得られず」麻生氏、出馬の意向 谷垣氏や福田氏浮上
 後継総裁の候補者は、麻生、額賀、谷垣、福田の5氏か?

┏━━ 宰相の資質 ━━━━━━━━━━━━━━
 宰相の資質は、健康と孤独に耐えるとリーダーシップ。現憲法下病気で辞任した主な宰相は、石橋湛山(1957年)、池田勇人(964年)、大平正芳(1980年)、小渕恵三(2000年)、そして安倍晋三。大平正芳は、衆参同時選挙を打って、同情票が集まり自民党が大勝したが、選挙期間中に病死。小渕恵三は脳梗塞で倒れ不帰の人に。後継者は密室で決められたので、国民の顰蹙をかった。現役の宰相の病気はその他にもあるが、今回の安倍総理のようなタイミングの悪さは、事例がない。
 安倍総理は、消化器系の病気のようだが、病名は公表されてない。若いから、次の総理という話があったが、なれる時になると受けた。1呼吸を入れてから、次を狙う方がよかったのではなかろうか。健康が原因なら。

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シニアネット『おいおい』 第611号 巻頭紹介

━━ senior citizen net ━━━ 2007/09/05━

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 枝豆や三寸とんで口に入る        正岡 子規

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 枝豆を莢から飛ばして食べている楽しい風景。食通で、大食漢の子規である。枝豆をぽい、ぽいと口に入れている。それを、枝豆が「三寸とんで口に入る」と擬人化した。莢ごと塩ゆでられた枝豆は、ビールの肴に最適である。多くは塩味だが、地方により醤油や砂糖で味をつけるところもある。 松山市生まれ。(1867-1902)。
 枝豆の食べ方   http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%9E%9D%E8%B1%86

┏━━ニュース検定━━━━━━━━━━━━━
  2日(日)に第1回ニュース(時事能力)検定試験が行われた。今回は、2-4級まで。次回の12月2日(日)は、1-5級が実施せれる予定。1級は、2級合格者のみ受験資格があり、筆記試験もある。2-5級は4択一選択のマークシート方式。試験の正解は、6日に発表になる。受験者数は、11865人。脳活性化のために、時事問題を受験するのも良い勉強になるのではないだろうか。
http://www.newskentei.jp/index.cgi

┏━━ 折り紙 ━━━━━━━━━━━━━━
  ボランテイア活動の1つとして、脳活性化のための折り紙教室を始めた。マンション組合の集会所を借りて毎月1回午後1時半から3時半まで「折り紙教室」を開く。
NHKのラジオ深夜便の深夜便の9月の歌は、小林旭の「折り紙人生」である。折り紙は、手軽にボランテイア活動ができる。手を使うので脳の活性化がはかれる。折り紙がブームになる予兆があるとも言われている。折り紙は深くて広い。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%8A%98%E3%82%8A%E7%B4%99

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シニアネット 『おいおい』 第610号 巻頭紹介

━━ senior citizen net ━━━━━━━ 2007/08/31━

 シニアネット 『おいおい』         第610号
 
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 本尊に茶を供すれば秋蚊出る       高浜 虚子

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 昭和24年(75歳)作。句集『650句』所収。「本尊」の場所は鎌倉市の東慶寺。駆け込み寺。庫裡での句会での作品である。「秋の蚊」は蚊の執念深さを感じる。もう秋なのに,蚊が出てくると忌々しそうな感想である。「東慶寺」の本尊は、釈迦如来である。臨済宗。明治の初めまでは、縁切り寺であった。女性から離縁ができなかった時代の話。
 愛媛県松山市生まれ。(1874-1959)。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%9D%B1%E6%85%B6%E5%AF%BA

┏━━ 八月 ━━━━━━━━━━━━━━━━
       ◎中長期の展望◎
本日は、31日。8月は毎週日曜日―水曜日―土曜日と定期的に発行してきた。行事が重なり新聞もろくに読めてない。安倍改造内閣も分析できてない。その償いとして、中長期的な私なりの展望をしてみた。病気しているのではないと言うシグナルです。
安倍内閣の躓きは、総理自身の勉強不足である。つまり、苦労知らずの「坊ちゃん内閣」のためだ。塩崎官房長官は、夏目漱石の「坊ちゃん」の選挙区である。日銀出身のエリート。官房長官になるまでは、メルマガが楽しみだった。最近は来ない。
戦後の処理も、二,三世議員の処理からしなければならないのではなかろうか。小泉前総理のお陰で、与党の族議員は少なくなった。与党のお粗末さは目に余る。民主党の幹部からして2,3世議員が多いのは何故だ。小沢一郎党首も2世議員で、保守勢力の代表である。崇拝する岩手県出身の原敬とは、似ても似つかぬ人物である。原敬の庶民性とは関係ない。政治の世界が2、3世議員というが、財界にも多い。敗戦後、たたき上げの創業者が苦労した大きくした会社も、「坊ちゃん社長」で経営に行きずまった例が多い。
子供の時に、見て育ったようだが、実態は知らずじまい。安倍総理が、祖父岸元総理の薫陶を受けているようだが、形骸しか見てない。政治の辛酸をなめてない。銀のスプーンで育った。創業者の親父の教育を受けてない。経営のように、生き物は扱えないのである。
芸能人の世界も、2,3世タレントが増えている。いや、サラリーマンの世界も同じである。流動的な雇用社会から固定的な雇用社会になっている。社会全体が、封建社会のように世襲制に近くなって来たのではないか。
上昇型の、右上がり社会から、安定的な固定社会なってしまった。それが、構造改革が必要とする社会になっている。「戦後のレジーム」は政治の世界だけではない、日本社会を覆った黒い霧ではないだろうか。

┏━━ 参議員選挙 ━━━━━━━━━━━━━
      ◎選挙はだれのためか◎
 我が家では、今回の選挙くらい静かな選挙はなかった。自民党から、1度の電話もない。選挙ビラも来ない。過去の参議院選挙は、選挙区を比例区の政党を分けたりしていた。今回は、両方とも自民党にした。義務として。選挙区は、73歳の長老である。6年後には79歳。あまりにも御高齢に過ぎる。仕方がないではないか。比例区は、桝添要一さんを記名投票した。期待の星として、今回の世論調査では内閣支持率を上げた。
 ねじれ現象も参院の場合は当たりまえである。選挙の結果がこのような政治現象になるとは思わなかった人も多い。出口調査結果でも、自民党の支持者で民主党に投票した人は多いようだ。
 自分の投票行動が、大きな変化をもたらしたことを気つかない人も多いことよ!

シニアネット 『おいおい』 第609号

━━ senior citizen net ━━━━━━━ 2007/08/26━

  シニアネット 『おいおい』       第609号
 
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 きらきらと吉田火祭りをみなの眼     川崎 展宏

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 富士山の「吉田の火祭り」。山梨県富士吉田市にある北口本宮富士浅間神社と境内社諏訪神社の祭礼である。26日に神社で神事の後に、神輿を出す。夕刻神輿が中宿のお旅所に着く、上吉田の御師の家と町筋の家に立てられた大松明と井桁に組まれた松明に火がつけられる。登山道の山小屋も篝火を焚く。裾野から山まで火の祭りとなる。27日に神輿が神社に戻り「すすき祭り」が行われて、山じまいとなる。
この神社に祀られた木花開耶姫(このはなさくやひめ)は、火山鎮護の神。「きらきらと」目を輝かせる「をみなの眼」は、火を怖れない。広島県呉市生まれ。(1927-  )。

シニアネット 『おいおい』 第608号 巻頭紹介

━━ senior citizen net ━━━━ 2007/08/22━

  シニアネット 『おいおい        第608号
 
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 秋風の吹きくる方に帰るなり      前田 普羅

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 奈良に長く滞在した。楽しい奈良の思い出を残して、冷たい秋風の吹く富山に帰ることになった。「秋風の吹きくる方に」帰りゆく人の後ろ姿に寂しさと哀愁が見える。
1924年より1950年まで富山市に住む。「雄大な自然と自我意識を一体化させた重厚な作品に秀句が多い。」(『現代俳句大事典』より)神奈川県横浜市生まれ。(1884-1954)。