2007年10月29日月曜日

シニアネット 『おいおい』 第615号  巻頭紹介

━━ senior citizen net ━━━━━━ 2007/09/17━

     シニアネット 『おいおい』      第615号
 
━━━━━━━ 行動するシニアのための情報紙━━

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 敬老の日とは煮小豆をことことと    及川 貞

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 今日は敬老の日。ハッピー・マンデイ。3連休の付録のような祭日。特別な行事が有る訳でもない。作者は、時間をかけて、「ことことと」ていねいに小豆を煮る。静かな昼下がりである。小豆の煮えるに従い、部屋いっぱいに匂いが漂う。
 「慎ましい主婦の目を通して、日常身辺の些事を巧まず、素直に綴った。成人した3人の子をことごとく失うという苦難と悲しみに耐え抜きながら、晩年は夫と2人となった時を、さらに独り残された日々を淡々と深く最期まで詠み続けた。」(『現代俳句大事典』より)。東京都生まれ。(1899-1993)。享年94歳。

┏━━ 敬老の日 ━━━━━━━━━━━━━━
         ◎(社説)長寿だけでは安心できない◎
9月17日は、敬老の日2紙が取り上げた。両紙とも長寿だけでは喜べない社会だ。独居男性の問題(朝日)と社会保障の重要性(読売)を論じた。妥当な論調である。

17日;朝日社説(2)敬老の日―独居の男性が心配だ
  http://www.asahi.com/paper/editorial.html
『ひとりで暮らす65歳以上のお年寄りがどんどん増えていることだ。その数は約400万人にもなる。本当は人とかかわりたいのに、近所づきあいがなく、友人もいない。そんなひとり暮らしのお年寄りが少なくない。
 高齢者を対象にした内閣府の調査が、その実態を浮き彫りにしている。65歳以上のひとり暮らしのうち、6割を超える人が日常生活の中で心配ごとを抱えていた。一番の不安は「病気、介護」だが、次に多いのは「頼れる人がなく一人きり」という悩みだった。ひとり暮らしの男性の高齢者で、近所づきあいが「ない」という人が4人に1人に達し、「親しい友人がいない」との答えは4割を超えた。心配ごとや悩みがあっても相談する相手がいない人は2割近い。
  お年寄りが孤立すると、心配なことが増える。悪質商法などの被害にあう。 まず住民一人ひとりが自分のまわりを見回し、声をかけ合うことが大切だ。少し心を配るだけで、年配の人たちはずっと生きやすくなる。 お年寄りの側も、周囲とのつき合いを求めるのなら、きっかけを待つだけではいけない。公民館へ出かけてみる。趣味の活動に参加する。安心して暮らせる町づくりにつながるし、みんなが気持ちよく生活する第一歩にもなる。そうしたことを、敬老の日に改めて考えたい。

17日;読売社説(2)敬老の日 社会保障の安定が老後の安心に
http://www.yomiuri.co.jp/editorial/news/20070916ig90.htm
『問題は、長い老後を幸福に、安心して暮らせるかどうかであろう。内閣府が毎年行っている「国民生活に関する世論調査」で、生活の中で悩みや不安を感じている人が、今年は過去最高の69・5%に上った。内容は「老後の生活設計」(53・7%)が最も多い。年金、医療、介護という、高齢期に支えとなるべき社会保障制度が、揺らいでいると感じるからだろう。
 だが、政治は国民の思いに応えているだろうか。年金制度は、給付を安定させるため、基礎年金の国庫負担割合を2009年度までに、3分の1から2分の1へ引き上げることが決まっている。ところが肝心の財源はいまだに見通しがつかない。国民医療費は33兆円を突破した。費用の伸びを抑えるため、高齢者の窓口負担を引き上げたり、医療機関の診療報酬を削減したりしている。こうした医療費抑制策はおのずから限界がある。超高齢社会に必要な医療の財源は、きちんと確保しなければならない。介護保険制度も、コムスンの不祥事を機に、介護現場の低賃金と、それに伴う人材不足という問題が浮かび上がった。
 各制度の現状を打開し、財政基盤を強化するには新たな財源が要る。それは広く薄く負担し合うしかない。ところが政治の場での議論は、一向に進まない。不安の多い老後では、寿命が延びても喜べない。長寿は幸福、と言い切るには揺るぎない社会保障制度が必要だ。

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