2007年6月26日火曜日

シニアネット 『おいおい』  第584号 巻頭紹介

━━ senior citizen net ━━━━━━ 2007/06/21━━

     シニアネット 『おいおい』    第584号
 
━━━━━━━━━━ 行動するシニアのための情報紙━━━━

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 梅雨晴れやところどころに蟻の道      正岡 子規

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
 梅雨の最中に、打ち払うように長雨が晴れた。久しぶりに雨がやんで、気持ちの良い晴れ間である。暑い日差しが湿った地面を照りつける。庭に出てみると、土は乾いていない。「ところどころに蟻の道」が続いている。働き者の蟻は早速活動開始だ。「蟻の道」を発見したところに、「梅雨晴れ」らしさが新鮮である。
 22日は「夏至」だが、一向に「梅雨」らしい長雨が降らない。週末から梅雨の雨がふるだろうか。松山市生まれ。(1867-1902)

ラベル:

シニアネット 『おいおい』 第583号 巻頭紹介

━━ senior citizen net ━━━━━━ 2007/06/17━━

     シニアネット 『おいおい』   第583号
 
━━━━━━━━━━ 行動するシニアのための情報紙━━━━

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 父の日のうどんに一味辛子かな      浅井 喜一郎

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
 今日は「父の日」。父の日は、母の日とちがい人気がない。家族はそれぞれ、外出したのだろうか。昼の食事を、お父さんが一人で「うどん」をすする。特別な料理をつくり祝う訳でもない。「一味辛子」がいやに効きく。家族から、忘れられた存在の父が一人。うどんをすする姿は、なんとない淋しさが漂う。
 1910年、J・B・ドッド夫人が父の墓に白い薔薇の花を供えたことを契機に提唱され、アメリカの年中行事となった。日本では、太平洋戦争後もたらされた。

ラベル:

シニアネット『おいおい』 第582号 巻頭紹介

━━ senior citizen net ━━━━━━ 2007/06/15━

    シニアネット 『おいおい』    第582号
 
━━━━━━━━ 行動するシニアのための情報紙━━━━

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 滝音に雨降る音は別にあり      星野 立子

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
 滝の落ちる音を聞き入っていた。轟音のような滝の落ちる音。その轟音に聞き耳を立てている。「滝音」とは違う音が、「別にあり」に気付く。「雨降る音」である。その音は「滝音」と見事に調和している。その「雨降る音」はしとしとと降る梅雨の雨だろうか。
 高浜虚子の次女の作者は、「平明で親しみやすい作品は、時代を超えていつまでも新しい。」(『現代俳句大事典』より)。東京都生まれ。(1903-1984)。

ラベル:

2007年6月12日火曜日

シニアネット 『おいおい』 第581号 巻頭紹介

シニアネット 『おいおい』 第581号 巻頭
━━ senior citizen net ━━━━ 2007/06/11━━

     シニアネット 『おいおい』   第581号
 
━━━━━━━━ 行動するシニアのための情報紙━━

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

親一人子一人蛍光りけり      久保田 万太郎

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
 昭和19年作。「耕一応召」と前書きがある。ただ一人息子は、妻京の死後も妹小夜子を呼び寄せて育てた。その息子の召集決まった。万感がこめられている。「物心ついてからこの方、父と私との間に交わされた会話はそのまま全部速記して置いたとしても恐らく1編の多幕戯曲に及ばないだろう。」と寡黙な父と子であった。別れる「親一人子一人」を「蛍光りけり」。
長男耕一は昭和19年6月教育召集され、10月に召集解除。昭和22年結婚するが、昭和32年2月肺結核にて35歳死去。東京都生まれ。(1888-1963)

┏━━ Plan ━━━━━━━━━━━━━━━━━
 ◎社会負担をどうするのか。将来の不安は。年金問題より先だ◎
 年金問題で参議院議員選挙が闘えるのか。そうだとしたら「平和ボケ」ではないか。住民税の負担増と国民健康保険料の負担増。将来の生活不安は、税金と保険料の社会負担の増加にたいする不安が、最大の政治課題ではないのか。
 11日の参議院決算委員会での民主党と政府のやり取りで、浮いた感じを禁じえない。今大切な課題は、「財政負担」をどうするのか。それを誰が負担するのか。社会的負担を50%にしようという。50%でいいのか。行政能力の弱い地方に税収を移管した。地方の行政のシステムが出来てない。税金を垂れ流しにする。知事が「汚職」をする構図の中で、大きな税金を任せるのか。政治の大きな課題である。
 住民税は、6月から重くのしかかるとこはPR済みだ。PR期間中は黙っていて、決定後騒いでも遅い。昨年からの政治課題だったのに。定率減税分は確実に重税。65歳以上の「高齢者控除」(50万円)、「配偶者特別控除」(38万円)も増税なっている。シニアには大きな社会負担であるのだが。

┏━━ D O ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
 ◎「NHKラジオ深夜便」の「こころのエッセー賞」◎
 6月号の「ラジオ新便」に第2回「こころのエッセー賞」が発表された。応募者の平均年齢が71歳とは。1184編の応募から入選作12編。入選作が朗読されて、選者の選定理由をインタービューした。男性の入選作5作品を榊寿之アンカーが、女性の入選作7編を迎康子アンカーが朗読する。雑誌の掲載は、6月号と7月号。
各日午前1時に、6月5日に入選「いじめ」(群馬県 77歳)。6月11日に入選「母ちゃんは、温かい」(岡山市83歳)。6月25日に入選「わたしゃゴキブリ」(東京都大田区 75歳)。6月26日に佳作「うれしいことがいっぱい」(福岡県93歳)。「ご、ど、さん、」(山形市83歳)。「心地与三郎」(彦根市62歳)。以下7月号で紹介。
放送を聴くと感動するが、雑誌の原稿を読むだけでも心を揺さぶられる。
http://www.nhk.or.jp/radiodir/shou/shinya/shin.html
http://www.nhk-sc.or.jp/radio/bosyuu/index.html

ラベル:

シニアネット 『おいおい』  第580号 巻頭紹介

━━ senior citizen net ━━━ 2007/06/10━━

 シニアネット 『おいおい』      第580号
 
━━━━━━ 行動するシニアのための情報紙━━

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 梅雨見つめればうしろに妻も立つ    大野 林火

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
 さりげない日常の風景である。長雨の続く梅雨の休日だろうか。休日だからこれという仕事も無い。作者がガラス戸越に廊下に立って庭を見つめている。いつのまにか妻がそっと後ろに立っている。「梅雨見つめれば」は、ただぼんやりと庭を見つめている。庭の風景をとりとめのなく眺めているに過ぎない。夫婦で歩んできた味わいがある。同じ梅雨の風景を見ている。無言でいい。歳月を重ねた夫婦二人の機微が伝わる。
昭和21年刊の句集『早桃』所収。初出は『石楠』昭和15年8月号。艱難辛苦を共にした夫婦の味わいがある。横浜市生まれ。(1904-1982)。

┏━━ Plan ━━━━━━━━━━━━━━━━
◎(社説)「負担増の痛みとその先にある安心への道筋」を示せ◎
経済財政諮問会議が先週「07年版骨太の方針」の素案を示した。安倍内閣として初めてつくる経済財政の基本方針だ。労働生産性の向上に数値目標を設けたり、最低賃金の引き上げなど「底上げ」をうたったり、サマータイム実施の検討を入れたり、内容はまことに盛りだくさんだ。しかし総花的で、前政権が掲げた郵政民営化のように、何が改革の本丸なのかが明確でない。
この国の最優先課題は明らかだ。膨大な社会保障を支えなければならない。 これから求められる負担増の痛みと、その先にある安心への道筋を、国民は知りたがっている。しかし、素案はそれに答えていない。参議院選挙の課題にも取り上げられてないのは何故か。

10日;朝日社説(1)骨太の方針―官僚依存に戻す気か
http://www.asahi.com/paper/editorial.html
『国の経済政策を決める重心が、静かに移り始めた。小泉前政権時代、政策の決定権は確実に首相の下にあったが、いま、官僚たちの手に戻りつつある。 安倍首相が「戦後レジーム」からの脱却に精力を注ぐあまり、政官業の岩盤を壊す「構造改革」には力を割いていないからだ。昨年の骨太の方針で、公共事業費を毎年1~3%減らすといった5年計画を決めた。それを最大限やるという意味だ。だが、何を優先し何に切り込むのか、具体的には示していない。 民間議員が素案に「3%減」と明記するよう迫ったが、見送られた。このため、予算枠は財務省が8月に概算要求基準として示し、今後は財務省のペースで予算づくりが進められる。
 諮問会議が指導力を発揮できなければ、官邸主導もかけ声に終わり、官僚依存に先祖返りする。素案は、新たな財政再建目標を設けることにも踏み出していない。今の目標はプライマリーバランスの11年度黒字化。つまり国債の利払い費を除く歳出を、借金に頼らず税収でまかなうことだ。 息長い景気回復で税収が大幅に増えており、この目標を達成できそうになってきた。タガを緩めないためには、早く次の目標を定めなければいけない。諮問会議が触れないのを見定めたかのように、財務省が動き出した。素案が出た直後に財務省の財政制度等審議会がまとめた来年度予算への建議は、新たな目標の必要性をしっかりアピール。財政の主導権を財務省が取り戻しているのだ。諮問会議の力が落ちれば、やがて政官業の既得権者が息を吹き返す。官から民への改革も逆流しかねない。首相の責任はいよいよ重い。

ラベル:

シニアネット 『おいおい』 第579号 巻頭紹介

シニアネット 『おいおい』 第579号 巻頭紹介
━━ senior citizen net ━━━━ 2007/06/08━━

     シニアネット 『おいおい』   第579号
 
━━━━━━━━━ 行動するシニアのための情報紙━━━

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

田植季わが雨傘もみどりなす       橋本 多佳子

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
 9日は梅雨入り。昔は、梅雨の時季に田植えをした。早苗が本田に植えられていく。最近では、5月ごろ田植機でサーと植えられる地方が多くなった。昔は田植えに、情緒があった。
梅雨は雨が降ったり、曇ったり晴れ間は少ない。雨が降らないと田植えは出来ない。こうした天候が「田植季」。田植えを眺めている作者の「雨傘」も早苗のみどりにも負けない爽やかな緑色である。東京都生まれ。(1899-1963)。

┏━━ Plan ━━━━━━━━━━━━━
       ◎ある異業種交流会の20周年◎
 1987年6月6日は、「トリプル S ネットワーク」が11名の発起人で創立された。毎月第1土曜日の午後に定例的に開催した。8月は夏休みで、年11回(当初は8月も開催)。不思議なことに、会合の名前がナウイ「ネットワーク」のキーワードである。ソフト、サービス、シルバーが3Sで、20年後の今も変わらない。
 第100回記念は1995年12月3日。旧コクサイホテルで会費1万円に26名が集まる。第150回は2000年2月5日。第200回は2004年7月3日に、関西文化サロンで20名が参加した。第250回は2008年6月7日の予定である。
 創立期は,『起業家』が集まりベンチャーの養成塾の感じがあつた。忘年会が盛んで、多忙な人が多く、忘年会だけは参加するという不文律があった。口角泡を飛ばす議論が続いた。泊り込みの研修会は、徹夜をした。皆さん若かった。
会場は転々とした。最初は大阪商工会館で、ビールを飲みながら弁当をつついた。夢を語り合った時代でもあった。クボタエイトサービスの中央区のビルでは、土曜日のオフィスの会議室で、静かな大人に話をした。常時参加の女性もありソフトを語りあう時代だった。パソコン通信の黎明期でもあった。最近は、梅田の関西文化サロンに定着した。
1988年6月4日には「シルクロード博覧会」で、1990年5月19日には「花と緑の博覧会」で博覧会の会場で、優雅にサービスを語り合った。博覧会がブームになった時代。
21世紀になり、梅田の関西文化サロンの会場を移しました。「1情報は1千円」で会合を継続している。話題は時事問題が中心。シルバーばかりで、若手の入会に努力しなければ、『蛸壺』の心持よさに眠っ込んでしまう。
20周年にあたり、新しい方向性を見つけたいと思います。関心があれば、「第1土曜の午後」の梅田の関西文化サロンにお越しください。入るは拒まず、出るも追わずの暢気な集まりです。会費は1千円。コーヒーとケーキの費用です。ご遠慮なしに、どなたでも参加ください。

ラベル:

2007年6月7日木曜日

シニアネット 『おいおい』 第578号 巻頭紹介

━━ senior citizen net ━━━━━ 2007/06/06━━

 シニアネット 『おいおい』    第578号
 
━━━━━━━━ 行動するシニアのための情報紙━━

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

糸ほどのものにすでに百足虫なり   山口 波津女

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
 「百足虫(むかで)」は沢山の脚を持っている節足動物。身体は
扁平で石の下などに棲む。家に入って来る。噛まれると腫れ上
がる。小さな子供の百足虫を見つけた。よく見れば糸のような
細い体にさらに細い脚がついている。かわいらしい体に、なん
となく哀れである。作者は山口誓子の奥さんである。
大阪市生まれ。(1906-1985)

ラベル:

2007年6月6日水曜日

シニアネット 『おいおい』 第577号 巻頭紹介

━ senior citizen net ━━━━━ 2007/06/02 ━

   シニアネット 『おいおい』   第577号
 
━━━━━━ 行動するシニアのための情報紙━━━

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 六月を綺麗な風の吹くことよ    正岡 子規

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
 6月1日は衣替である。安部首相もクールビジ姿。美しい日本らしく
ない服装である。源氏物語の書き出しあるごとく、宮中では、服装だ
けでなく、部屋の中の装飾から几帳に至るまで、すべての夏のもの
に替える大きな行事であった。
 明治28年に子規は神戸で大喀血して重体に陥り、その後須磨で
療養した。その療養中の句である。病身を、「綺麗な風」が吹きぬけ
るように感じた。全身全霊で、6月の風を感じたのであろう。

ラベル:

シニアネット 『おいおい』 第576号 巻頭紹介

━━ senior citizen net ━━━━━━ 2007/05/31━

     シニアネット 『おいおい』   第576号
 
━━━━━━━━━ 行動するシニアのための情報紙━━━

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 山毛欅山のきらめく五月果つるかな    石塚 友二

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
 今日で5月は終わる。若葉と薫風のみずみずしい生命力あふれた最も麗しい月である。5月を「山毛欅(ぶな)山のきらめく」と表現した。その五月も果つる。
「石田波郷は友二の俳句を指して、「小説家が余技として楽しむ俳句とは遠い、30枚50枚の短編を書くのと同じ態度で俳句を作る。」と言った。」(『現代俳句大事典』より)
 新潟県阿賀野市生まれ。(1906-1986)。

ラベル: