2007年6月12日火曜日

シニアネット 『おいおい』  第580号 巻頭紹介

━━ senior citizen net ━━━ 2007/06/10━━

 シニアネット 『おいおい』      第580号
 
━━━━━━ 行動するシニアのための情報紙━━

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 梅雨見つめればうしろに妻も立つ    大野 林火

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 さりげない日常の風景である。長雨の続く梅雨の休日だろうか。休日だからこれという仕事も無い。作者がガラス戸越に廊下に立って庭を見つめている。いつのまにか妻がそっと後ろに立っている。「梅雨見つめれば」は、ただぼんやりと庭を見つめている。庭の風景をとりとめのなく眺めているに過ぎない。夫婦で歩んできた味わいがある。同じ梅雨の風景を見ている。無言でいい。歳月を重ねた夫婦二人の機微が伝わる。
昭和21年刊の句集『早桃』所収。初出は『石楠』昭和15年8月号。艱難辛苦を共にした夫婦の味わいがある。横浜市生まれ。(1904-1982)。

┏━━ Plan ━━━━━━━━━━━━━━━━
◎(社説)「負担増の痛みとその先にある安心への道筋」を示せ◎
経済財政諮問会議が先週「07年版骨太の方針」の素案を示した。安倍内閣として初めてつくる経済財政の基本方針だ。労働生産性の向上に数値目標を設けたり、最低賃金の引き上げなど「底上げ」をうたったり、サマータイム実施の検討を入れたり、内容はまことに盛りだくさんだ。しかし総花的で、前政権が掲げた郵政民営化のように、何が改革の本丸なのかが明確でない。
この国の最優先課題は明らかだ。膨大な社会保障を支えなければならない。 これから求められる負担増の痛みと、その先にある安心への道筋を、国民は知りたがっている。しかし、素案はそれに答えていない。参議院選挙の課題にも取り上げられてないのは何故か。

10日;朝日社説(1)骨太の方針―官僚依存に戻す気か
http://www.asahi.com/paper/editorial.html
『国の経済政策を決める重心が、静かに移り始めた。小泉前政権時代、政策の決定権は確実に首相の下にあったが、いま、官僚たちの手に戻りつつある。 安倍首相が「戦後レジーム」からの脱却に精力を注ぐあまり、政官業の岩盤を壊す「構造改革」には力を割いていないからだ。昨年の骨太の方針で、公共事業費を毎年1~3%減らすといった5年計画を決めた。それを最大限やるという意味だ。だが、何を優先し何に切り込むのか、具体的には示していない。 民間議員が素案に「3%減」と明記するよう迫ったが、見送られた。このため、予算枠は財務省が8月に概算要求基準として示し、今後は財務省のペースで予算づくりが進められる。
 諮問会議が指導力を発揮できなければ、官邸主導もかけ声に終わり、官僚依存に先祖返りする。素案は、新たな財政再建目標を設けることにも踏み出していない。今の目標はプライマリーバランスの11年度黒字化。つまり国債の利払い費を除く歳出を、借金に頼らず税収でまかなうことだ。 息長い景気回復で税収が大幅に増えており、この目標を達成できそうになってきた。タガを緩めないためには、早く次の目標を定めなければいけない。諮問会議が触れないのを見定めたかのように、財務省が動き出した。素案が出た直後に財務省の財政制度等審議会がまとめた来年度予算への建議は、新たな目標の必要性をしっかりアピール。財政の主導権を財務省が取り戻しているのだ。諮問会議の力が落ちれば、やがて政官業の既得権者が息を吹き返す。官から民への改革も逆流しかねない。首相の責任はいよいよ重い。

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