2007年10月29日月曜日

シニアネット 『おいおい』 第616号

━━ senior citizen net ━━━━━ 2007/09/19━

     シニアネット 『おいおい』         第616号
 
━━━━━━━━ 行動するシニアのための情報紙━━

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 月を思ひ人を思ひて須磨にあり     高浜 虚子

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
 昭和26年(1951)9月、虚子76歳の作。子規没後50年。詞書に「9月14日須磨、保養院の跡を訪ひ、須磨寺小集」とある。子規は、明治23年に日清戦争の従軍記者として中国に行った帰りの軍艦で大喀血した。須磨保養院で虚子は子規につききりで看病した。
 没後50年、「人を思ひて」の人の子規を偲んでいる。「月を思ひ」は臨終の夜、旧暦17日の月が出ていた。虚子は子規の霊が今空中に騰りつつあるのでは無いかと「子規逝くや17日の月明に」と詠んだ。
王朝時代の月の名所の須磨で、子規を思う深い心情が詠われた。翌15日、虚子は「子規忌へと無月の海をわたりけり」の句を残して、こがね丸で松山へ渡った。松山市の子規祭りに参加するために。松山市生まれ。(1874-1959)。

┏━━ 子規忌 ━━━━━━━━━━━━━
  9月19日は正岡子規の忌日。明治35年(1902)にわずか36歳。東京根岸で短い生涯を終えた。死の2日前まで、『病床六尺』を書き、死の前日3句を絶筆として残した。戒名は 子規居士である。糸瓜忌,獺祭忌ともいう。

┏━━総裁選挙の争点━━━━━━━━━━
          ◎政策論争に踏み込め◎
 3紙が、総裁選挙の政策論争の物足りなさを指摘した。読売は政策論争の必要性を。
毎日は構造改革の方向性を。産経は政策論議の必要性を。論じた。

19日;読売社説(1)自民党総裁選 政策論争が今一つ物足りない
http://www.yomiuri.co.jp/editorial/news/20070918ig90.htm
『イメージ先行の争いだが、首相の「資質」が争点の一つだけに、一概に悪いとも言えまい。残念なのは、肝心の政策論争が具体性を欠いており、今一つ物足りないことだ。突然の選挙による準備不足も一因だろう。福田氏と麻生氏が発表した政権構想は、A4判の紙1、2枚にすぎない。主要テーマは網羅しているが、大半は政府の既存の施策と大きな違いはない。
 福田氏は、「格差を埋める努力」が必要としながらも、「改革の方向性は変えられないし、後戻りもできない」と強調する。政権構想でも、「『改革と成長』路線を継続」「頑張る地方が自立できる税制・交付税を検討」などと、現政権の政策を継承する政策を並べた。麻生氏の方が、むしろ構造改革路線の修正に積極的な姿勢を見せている。政権構想でも、「構造改革によって生じた暮らしの不安と格差の解消」「弱者にも配慮した『思いやりの政治』」などを盛り込んだ.
 対北朝鮮外交で、福田氏は、「対話と圧力」のうち「対話」に軸足を移す姿勢をにじませつつ、拉致問題を「私の手で解決したい」との決意を表明した。一貫して「圧力」を重視してきた安倍政権に対し、福田氏は批判的だった。一方、麻生氏は、「圧力なくして対話が成り立ったことはない」と主張し、重点の置き方が異なっている。
 来週には首相指名選挙や所信表明演説が行われる方向だ。自らが首相になった際、どんな政策を優先するのか。福田、麻生両氏には、もう一歩踏み込み、総裁選を盛り上げてほしい。

19日;毎日社説(1)自民総裁選縦 改革の新しい姿明確に示せ
  http://www.mainichi-msn.co.jp/eye/shasetsu/
『福田康夫元官房長官、麻生太郎幹事長は経済構造をどのようにしようとしているのか。日本経済の活性化、財政再建の実現は誰が首相でも取り組まなければならない課題である。そのためには、福田、麻生両氏が小泉構造改革をどう総括し、自分自身はどのような改革に取り組むのか明確にしなければならない。
 まず、焦点となるのが財政再建や公的年金の国庫負担引き上げに関連した消費税の扱いだ。究極の歳入増対策といわれている消費税率引き上げを巡っては、安倍内閣も口をつぐんできた。これに対して、福田、麻生両氏とも引き上げ検討の立場を明らかにした。これで自民党の消費税に対する姿勢は明確になったとみていい。
 国民負担の引き上げは、単に、財政再建のためだけではない。国民に社会サービスが滞りなく行き渡る仕組みを築き、維持するためだ。ただ2人の主張から社会保障全体をどう再構築していくのかはみえてこない。小泉改革は一貫して小さな政府を目指し、社会保障や医療でも民間の役割に期待した。福田、麻生両氏とも改革の影の部分や諸問題には対処していくという。それは当然だが、全体像がなくては国民は安心できない。
  公共事業にしろ、減税にしろばらまきに終わってしまいかねない。今回の総裁選は次の総選挙にらみという色彩が強いだけに、ともすれば、ポピュリズムに流れかねない。
 経済構造の作り替えは全体構想があって初めて説得力も出てくる。小泉改革を評価するにせよ、反面教師にするにせよ、両氏は政権を目指す以上、改革の全体像を明確に提示しなければならない。

18日;産経社説(1)自民党総裁選 より踏み込んだ政策論を
http://www.sankei.co.jp/ronsetsu/shucho/070918/shc070918001.htm
『 福田康夫元官房長官が「希望と安心」を呼びかけ、麻生太郎幹事長は「日本の底力」と訴える。両氏の政権構想の全体像は見え始めたが、党や政権の立て直しに向かう説得力は感じられない。これでは平時の総裁選と比べ代わり映えがしない。欠けた総裁の単なる補充選挙に終わらせてはなるまい。政権投げ出しに至った政治状況を厳しく分析し、当面する諸課題への対処方針を明確に示す作業が欠かせない。
 改革路線を継承しつつ、必要な修正は加える。日米同盟を基軸にアジア外交を重視する。具体的に何を重視し、どう修正するかについて、両氏はさらに踏み込むべきである。
 焦点となるインド洋での海上自衛隊の給油活動問題は、国民の理解も深まりつつある。 その他の法案処理があることも考えて、参院第一党となった民主党との話し合い路線を打ち出すことはわかる。しかし、日本自身の利害や国際社会の一員としての責務ととらえ、まず政府・与党がこの問題を最優先課題とするのかどうか、明確にすべきである。
 麻生氏は政策面で鋭く福田氏に挑んでほしい。北朝鮮に対し「圧力がなければ対話できない」と麻生氏は主張した。これを意識したように、拉致問題の解決に必ずしも積極的ではないとみられていた福田氏が「私の手で解決したい」と言い始めた。論争の意義はこういう点にもある。
 立会演説を聞く党所属議員らの表情には、安倍晋三首相より安定感があり、物わかりも良さそうな両氏の語り口に安堵感も漂っていた。やっと一息つけそうだ、と緊張の糸が切れたことの表れだとすれば、あまりにも内向きではないか。

ラベル:

0 件のコメント:

コメントを投稿

登録 コメントの投稿 [Atom]

<< ホーム